スポーツでの膝の痛みー半月板損傷・断裂ー
いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。
金沢市(西金沢)のBivi接骨院の備前です。
今回は、スポーツや日常生活で膝を捻ることが原因で発生する「半月板損傷、断裂」について、お話しをさせていただきます。
半月板損傷は、スポーツ中に1回の怪我で起こる場合もありますが、年齢とともに繰り返しの怪我で徐々に損傷する場合もあります。
半月板を損傷すると、年齢とともに変形性膝関節症になるリスクが増すので、注意が必要と言われています。
本記事は、半月板損傷と病院で診断されている方に、最後まで読んでいただきた記事となっています。
また膝に痛みを抱えていて、本記事を読んで「半月板損傷なのかな?」と感じられた方は、一度ご相談いただくことをお勧めします。
目次
半月板とは?
半月板は膝関節内にあるクッションの役割をする組織です。
大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間の膝関節の動きをスムーズにする役割を担っています。
内側と外側に存在しており、半月型になっているため、半月板と呼ばれています。
また内側の半月板はO型、外側の半月板はC型を呈しています。
内側半月板を損傷すれば、内側半月板損傷となり、外側半月板を損傷すれば、外側半月板損傷となります。
半月板損傷(断裂)の受傷原因は?
半月板損傷はスポーツでの膝への過度なストレスによってこすれて損傷(断裂)ことがあります。
膝を曲げたまま、膝を捻るような動作で受傷することが多いです。
またスポーツでは前十字靭帯断裂に合併して損傷する場合があります。
そのほかにも、高齢になるにつれて、半月板も摩耗してきて、その状態で立ち上がり動作などをすることで損傷する例もあります。
半月板損傷(断裂)の症状は?
半月板損傷の症状は、
膝の腫れ
膝の内側や外側の関節付近の痛み
膝が伸びない
ひっかかるような違和感 などがあげられます
スポーツなどで膝を捻った場合、激しい痛みとともにロッキングと言って、膝が伸びないような状態になることもあります。
半月板損傷(断裂)の検査、診断方法は?
半月板損傷(断裂)が疑われる場合は、
マックマレーテスト
マックマレーテストは、膝を最大に曲げた姿勢から下腿に回線ストレスをかけながら、膝を最大までの伸ばしていきます。
この際に疼痛が誘発されれば陽性となります。
圧迫アプレーテスト
圧迫アプレーテストは、うつ伏せで膝を90°曲げた姿勢で、患者さんの大腿部を固定します。
足部を下腿方向へ圧迫しながら下腿を回旋させて、ストレスをかけていきます。疼痛が誘発されれば陽性となります。
牽引アプレーテスト
牽引アプレーテストは、検査肢位は圧迫アプレーテストと同様です。下腿部を上方に引っ張り上げて、回旋ストレスをかけていきます。
疼痛が誘発されれば陽性となります。
確定診断のためには、医療機関でのMRI検査が必要にあります。
半月板損傷(断裂)の治療は?
治療は、保存療法と手術療法になります。
保存療法では、痛みが強い時期はテーピングやサポーターを使用して安静を図ります。
場合によっては医療機関での抗炎症剤や鎮痛剤、ヒアルロン酸注射を併用しながら経過を見ていきます。
痛みに応じて徐々に運動療法を開始していきます。
痛みがひいたからといって、急に運動をすると痛みが再燃する恐れがあるので、段階的に運動療法を行っていきます。
手術療法では、関節鏡での半月板の切除術や縫合術が検討されることが多いです。
手術の方法によっても変わりますが、スポーツ復帰の目安は2~3か月程度になります。
手術後は、段階的にリハビリテーションを行っていきます。
半月板損傷(断裂)のリハビリは?
3つの時期に分けてご説明いたします。
①保護期
まずは炎症の管理が必要です。炎症を早期に沈静化するためにアイシングなどを実施します。
その後、痛みや腫脹に応じて、できる範囲で運動療法を実施します。具体的には、可動域訓練や痛みのない範囲での軽めの筋力訓練を実施します。
②トレーニング期
痛みなく最大可動域まで動くようになり、腫脹がひいてくれば、徐々に運動強度を上げていきます。
具体的には荷重下での運動療法を開始していきます。(スクワットやランジなど)
③回復期
痛みなく荷重下での運動ができるようになれば、さらに運動強度を上げていきます。
ジョギングやジャンプ動作などを開始して、スポーツ復帰を目指します。
また、動作改善にも積極的に取り組んでいきいます。
つま先を外に向けて、膝を内側に入れるような動作は膝に負担が大きいので、再受傷のリスクを伴います。
そのような動作を修正することで、障害の予防に努めていていくことが重要です。
最後に
半月板損傷後のリハビリは膝へのストレスをどう軽減させるかが重要になってきます。
スポーツや仕事復帰の基準として、膝の可動域や腫脹が改善は最低限必要です。
しかし、負担のかかる動作を修正しないまま復帰してしまうと、動作が変わっていないため痛みが再発してしまう可能性があります。
当院で、動作をしっかりとチェックしたうえで、安心安全なスポーツや仕事復帰を目指して治療を行います。